Sputnik Sweetheart

つらつらやってます

ドイツ研究合宿〜なんじゃらほい〜

ドイツ研究合宿

f:id:reekojima:20150710042041j:plain

8月4日。この日の前日、きっとこのままでは機内で眠りにつくことはできないだろうと思い、一睡もしなかった。久々の成田発だったので、数日からたまりにたまった課題を消化し、積むに積んだ漫画を片付けた。

私は成田空港が苦手だ。その理由は二つ。一つは単純に場所が遠いから。もう一つは全体的に暗い印象があるから。後者については老朽化の問題もあるのだろうけど、羽田空港と比べても照明や使われている色が明るくないせいか、あまり利用欲が湧かない。個人的に成田空港はそんなところ。

 

空港に向かうまで、電車内での睡魔との対決。結局、勝ったのか負けたのかも分からないまま電車は成田空港第一ターミナルに着いた。予定よりも早めに到着したので、まずは指定された集合場所に行ってみる。

 

今回は、学校の研究合宿でドイツ(その他のヨーロッパ諸国)に滞在することになっている。言わずもがな合宿メンバーに仲のいい人はいないし、なんなら研究合宿に参加すらしたくなかった。

集合場所には顔見知りが二人ほど居たので、雑談しながら予定時間がくるのを待っていた。このメンバーで約1ヶ月も過ごすのかと思いながらコーヒーを飲み、その後、集合時間まで第二ラウンドの睡魔との戦いだった。

予定時間になり、少しずつ人も集まってきた。

修学旅行、体育祭、文化祭にも参加したことのない私は、集団行動が苦手だった。だがしかしbut、このドイツ研究合宿に参加しないと論文が書けない。

卒業論文が書けないとなると卒業問題になる」なんて脳内で葛藤を続けていると、着々と機内問題が近づいてきていた。

ああ、飛行機が怖い。

教員から軽く出発から現地での行動等の手引きを受けたが、”機内でどう過ごすか”と言うことしか考えられなかった。そう、私は旅行好きの飛行機嫌いなのだ。

 

「何かを得るなら何かを犠牲にしなくてはならない」そんな河童も驚くような阿呆なことを考えながらチェックインをしたあと、検査を抜け、登場口まで行った。

搭乗口の場所を確認したあと、軽く腹ごしらえすることにした。

ヨーロッパへの滞在は短期間だが日本での最後の食事を慎重に選んだ。とは言え、悩んだ末選択したのはマクドナルドだった。

成田空港への偏見ではなく、本当に、どう言って良いか分からないほど、そのときの適切な選択肢はマクドナルドしかなかった。

 

マクドナルドほど世界で有名なファストフード店はないと思う。そういえば今までの旅行先の国でも必ず食べているような気がする。タイのマクドナルドは「コップンカー」のポーズをしていた。

大多数(きっとベジタリアンでない限り)の人はマクドナルドとスターバックスコーヒーの看板を見ると安心するのではないだろうか。赤と黄色、そしてグリーン。パプリカみたい。

 

私はマクドナルドで機械的な店員にチーズバーガーを頼んだ。そして最後の食事が日本食というわけでもなく、機内食に期待することもなく機械的なチーズバーガーを食べた。

マクドナルドを食べるのは久しぶりだった。そのせいか、おいしいのかおいしくないのかも分からなかった。食べたあと「昔はマクドナルドが苦手だったんだ」と思い出した。

搭乗する前にメイクを落として保湿マスクを装着。加えて睡眠導入剤を飲み、寝る気万全で私は搭乗した。

繰り返すと、わたしは旅行好きの飛行機嫌いなのだ。が、結果としてあまり寝ることはできなかった。一度、飛行機の揺れを感じて目が覚めてしまったのだ。あの睡魔との2ラウンドはなんだったと思った。

市販の睡眠導入剤の効き目にはがっかりで、そんなことなら軽くお酒でも飲んだほうがよかったのかもしれない。

 

飛行機についてこんなにながながと書いても始まらないので現地に着いてからのことについて。

 

今回の研究合宿は、私にとって初めてのヨーロッパ旅行でもあった。正直あまり期待はしていなかった。理由はたいしたことではないが、たぶんくだらないことを思っていた。

ドイツのフランクフルト空港に着き、バスに乗って移動した。移動途中、ヨーロッパは道が汚いかわりに建物が抜群に美しいと思った。

日本に比べると少し肌寒かったけど、レーマ広場のベンチに座るだけでヨーロッパを感じることができた。たぶん、気のせい 。

着いて最初の食事は老舗ドイツ料理店にて。老舗ドイツ料理店ではソーセージを食べた。やはりビールに合うように味を濃く作っているのだろう。ビールに合わせてソーセージの味を濃くしたのか、ソーセージに合うようにビールを作ったのか。はたまた何かの巡り合わせで二つの味がマッチしたのかもしれない。たまたまとは案外身近にあるものだ。

 

そのままお店を出て、私は川を散歩することにした。ヨーロッパで川と私は、ビールとソーセージのように巡り合った。東京の中央線沿いの神田川のように短くて何かに遮られるような川ではなく、ドイツの川は広々としてどこまでも続いているような川だった。きっとこの川は海に繋がって、だんだんしょっぱくなっていくのだろう。

川だって好んで塩気がますわけでもなさそう。ちなみにマイン川というなが〜い川らしい。

 

ヨーロッパの川は、どこも入っても良さそうな川だった。スニーカーにソックスを履いていた私にはそんな勇気なんてこれっぽっちもなかったけど。 

f:id:reekojima:20150710043155j:plain

 そのあとフライブルクに移動して何泊かした。ホテルの窓を開けると通路があり、その通路を進むと簡単に隣の部屋に行くことができた。

何日目かにホテルの窓を超えてどこかのお店の屋根に乗った。同じ考えをしていた宿泊者が過去に居たらしく、屋根の上には無数のタバコの吸い殻があった。

ちょうどドイツは白夜で、人生で初めて21時頃まで明るい空を見ることができた。そのおかげで感覚が麻痺して、ワインやビールを飲んでいてもお昼から飲んでいるような錯覚に襲われた。

ある日、レストランで食事をしていたとき、友人が白ワインを頼んだ。するとウェイターが甘くてフルーティなものがあると言った(もう一種類あったけど確かacidって言っていた)。

友人はその甘くてフルーティな白ワインを頼んだ。少し味見させてもらうと、本当に甘く、どこか桃のような味がした。

今まで私は白ワインより赤ワインの方が好きだったし、なんなら辛めの方が味が締まって飲みやすいと思っていたけど、なかなか甘い白ワインも味わい深かった。このことを書きながら自分の味の表現能力が乏しい事実に悲しい気持ちになる。

それほどまでに、おいしくて甘い白ワインは飲んだことがなかった。森のクマも口元を汚しながらで飲んでしまうほどおいしかった。 

f:id:reekojima:20150710044050j:plain

こんなことを書きながらも、私はあまりお酒が強くない。

ビールなんてジョッキ3杯飲めば十分だし、加えてドイツのビールは1杯も飲みきれないくらい濃かったから、すぐに心地良い気持ちになった。なんなら気持ち悪くすらなった。

飲んでいる時にふと考えた。酔っぱらうと『自分に付け足す側の人』と『自分の何かを取り払う側の人』が居るというけれど、私は一体どちらなのだろう。

私的な想像では取り払う方だと思っていたけれど、そんなことを考えてお酒を飲んでいてもちっとも酔っぱらえないことに気づいた。私は何も考えずに飲むほうが合っているのだ。そして雰囲気で酔うのが良い。

私のなかでヨーロッパは「川」「お酒」「ホテル」がキーワードになった。下世話に言うと「夏」「海」「セックス」といったところだと思う。

 

ドイツに滞在したあと、フランスのストラスブールに移動した。フランスのホテルは”鍵がフランス”だった。カードでもなく棒状の鍵だった。昔からあるような重たい鍵を渡された私は、解錠するのに戸惑った。なんだって鍵なんだもの。あの鍵よ、あの。

 

開ける手段というだけの、そのはずの鍵に私はまんまとはまってしまった。このまま持ち帰ろうとすら思ってしまった。”鍵がフランス”というのは正しい表現ではないかもしれなけれど、あのような鍵がフランスでは主流なのかもしれない。なんていったってここはフランスなのだ。そしてなんで鍵の写真がないのかしら。

f:id:reekojima:20150710044815j:plain

想像通り、フランスのクロワッサンはおいしかった。甘いものもいくつか食べたけど、甘すぎる。よく分からないほど砂糖がききすぎているのだけど、私にはちょうどよかった。そして苦いコーヒー。死ぬほど苦いコーヒーとクロワッサンを喉に通した私は、特に何することもなく、ふらふらとフランスの街並みを歩いた。

 

合宿中に仲良くなった友人とbanksyのアート(らしきもの)をいくつかみつけた。上の写真はきっと映画「ボルサリーノ」。

f:id:reekojima:20150710045519j:plain

これは....なんだろう。

そんなこんなで私はーロッパをそこそこ満喫した。美術館にもいくつかいけたし、 フォームの粗いカプチーノも飲めたし、何種類ものシナモンロールも食べた。かわいいコットンパンツも買った。ありがちなナイキのナップサックも買った。 

写真をきちんと撮っているわけではないし、しっかりとした旅行記・研究合宿記にすれば良かったのだけど、どうもそれ以外のことをたくさん書いてしまった。

そうして私の初めてのヨーロッパは終わった。最初は乗り気ではなかったものの、行ってみて良かったと思った。アジア圏やアメリカでは感じなかった気持ちにもなったし、美しいものにふれて新鮮な気分になった。

でも一番よかったことは、今まで話した事のなかった人と友達になれたことだと思う。

自分が経験しないまま、なにかを否定はすることは決してできない。例えば就職活動をしないのに「する意味がない」と言ったり、会ったことがない人のことを嫌いと言ったり、経験は自分自身に身に付くことだからまずは足を動かすことが大事だと思う。

 

今度、またヨーロッパに行くなら個人でパリやスペインに行きたいと思った。そしてベルギーで服でも買いたいと思う。

今回の写真は、カメラマン志望の友人が撮ってくれた。彼女のおかげで楽しい思い出を残すことができたと思う。そんなこんなでドイツ研究合宿は終わり。帰りの飛行機がちっとも怖くなかった話はまた後日。